利益の4モデルと利益の機能不全

月寒

利益を出すのが難しいのではなく、「利益」という概念自体が機能不全を起こしているのではないか。

利益というモデルは以下の4つに整理される。これらのモデルの示唆として、利益という概念そのものが宿命的に市場を回避し始めており、機能不全を起こしている、という強い懸念がある。

  1. 牧歌的モデル

    • コストに価値の分を上乗せして、交換が合意された、利益の原型
    • 「利益の最大化」を事業のスコープや経済の駆動原理に据える前の段階で、利益を考える上でのスコープが局所的な取引にある
    • 利益は取引の目的よりも、帰結に近い位置付けになっている
  2. 金融的モデル

    • 原則的に、「利益 = (価格 - コスト) * 数」で表現される
    • 価格とコストの負荷が、価格の自己決定権を持たず非対称に交渉力が弱い、労働者兼消費者という負荷の最終処理場に一方向に向けられるため、市場が効率化され複雑性を失うほど、市場全体の購買力が早く落ちるという問題がある
    • (数の増大もまた、市場全体に負荷の総和として現れる面がある)
    • 自分は消費せず、自己投資し、他者に消費させることで優位に立てる
  3. 市場迂回モデル

    • 消費者にサービスを提供するが、法人から物価経由で利益を徴収する構造
    • あらゆる資本の保管や流通、記憶や思考、コミュニケーション、取引、政治への参加などの生活上避けられない行為に課金し、同時に、その所定の場以外での生活行為を制限するモデル(これはモデル3.5程度の位置付けが妥当かもしれない)
    • 選択や購入を回避することが可能であり、市場に購買力や購買の意図がなくても無自覚あるいは強制的に購入させ、収益を得ることができる
    • 金融的利益モデルの限界を解決する中で、自然に登場した
    • フリーミアム、ポイントエコノミー、フィンテック、データプラットフォーム、社会プラットフォームなどが該当する
  4. 消費回避モデル

    • 軍事開発(軍民両用開発)やAI、ロボティクスへの投資など、国家が消費するものに、国家が自己資本で投資し、国家に近い民間を巻き込む構造
    • 市場の消費能力に依存せず、資本は税などを介して徴収する
    • 市場の購買力や消費能力の低下から資本の成長を切り離せる(ように見える)
    • 上記の構造ゆえに、バブル化の恐れがある
    • 市場以外に対する政策投資が該当する

モデル4では名目上は需要創出の話をしているが、介入方法が典型的な市場の需要の下支えから離れている。

一般市場経済の問題を、市場の需要の下支えではなく、市場から切り離すことで問題を回避する問題定義を始めている、少なくともそのように見える、のが問題だ。

軍民両用という位置付けは、市場を完全に切り離すのは危険であるという意図もあるのだろうが、それ以上に、予算や法律を正当化するための道徳的な言い訳という側面もおそらく強い。

いくつかの追加の議論あり。

経済 要追記 素材 再構築